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目次
1 一次(筆記)試験合格まで
2 二次(口述)試験対策
前ページより続く
二次(口述)試験
まずは、実際の試験の場面から。日本語で書きますが、会話は当然ドイツ語です。
昨年(口述試験挑戦1回目、以下「口述1回目」という)の試験会場はLL教室でした。今年(以下「口述2回目」という)は広い階段教室なので、今年の方が緊張します。最後尾のドアから入り、階段教室を下へ一人で降りて行きます。学生席の最前列に試験官が二人(降りて行く時点で顔は見えません。緊張が高まります)。本来なら教壇がある位置に椅子がぽつんと一脚。着席を促される。
Q1:お名前をどうぞ
A1:(緊張のあまり、一瞬口ごもってしまった。)××○○です。○○が名字です(書いてしまうとあっけないのですが、自分でも情けない位とつとつとした話しぶりです)。
Q2:社会人ですよね。どんな仕事ですか。
A2:(やった!想定内の質問だ)会社員です。小さな会社に勤めています。建築士ですが、設計はしていません。建物の評価をやっています(答えながらだんだんと気持ちが落ち着いてくる)。
Q3:評価って、どのようにやるんですか。
A3:(これも想定内!、今日はうまくいきそうだ)詳しく説明すると・・・(以下省略)
Q4:ドイツにいたことがありますか。
A4:はい。21才の時1年間いました。平日はGoetheに通い、週末はドイツ各地を旅行しました。町の中心にはたいがい大きな教会がありますよね。大学で建築を学んでいたので、教会堂建築に興味を持ち、卒論のテーマは「西ドイツ(注)の教会堂建築」でした。
Q5:どこの町にいましたか。
A5:Schwäbisch Hallに半年、Göttingenに半年です。Schwäbisch Hallは、大学のドイツ語の先生がいらした町で、先生の紹介です。Göttingenは、自分で選びました。Schwäbisch Hallは南ドイツの町なので、北ドイツに住んでみたいと思いました。
Q6:Göttingenはどんな町ですか。
A6:(この質問に対する準備はしていなかったので、答えに詰まる)大学町ですね。(試験官はもっと答えを催促するような顔つき)。
Q7:他にはありませんか。例えば町の大きさとかは。
A7:そんなに大きな町ではありませんが、小さくもありません。素敵な町です。
Q8:これで終わります。ありがとうございました。
A8:(突然の終了で言葉にならない)「Danke」と言うのが精一杯でした。会話の雰囲気は悪くなかったと思います。
注:当時はまだ東西ドイツに別れていました。
口述試験の準備
普段ドイツ語を話す環境にある方や語学学校でネイティブの先生と話されている方は問題ありません。身近な話題について整理しておけばよいでしょう。想定外の質問がきても、あくまで身近な話題ですから、それなりの答えができると思います。ただし、私のように普段話すチャンスがなく、独学で勉強されている方は、想定される応答を十二分に作文して暗記し、スラスラ話せるように練習しておくべきでしょう。
・どの程度練習すべきか
例えば日本語だとお風呂で体を洗いながらでも考え事ができますが、同じようにドイツ語の応答も何かしながらでもスラスラと出てくるように何度も繰り返し練習しておく。というのも試験ではかなり緊張します。だから十分練習して自動的に言葉が出てくるようにしておかないと、試験では口をついて出てきません。
・どれくらいの量の応答を用意すべきか
面接時間は5分ですが、15分程度は応答できるように準備しておくべきでしょう。では何を準備するか、普段日本語で自己紹介することをドイツ語で言えるようにしておけばよいでしょう。
・独作文に慣れておく
できるだけドイツ語で作文するようにしました。疎遠になっていたドイツ人の友人にもメールを出して、やり取りしました。
・緊張をほぐす手だてを
口述の試験会場にたどり着き、控え室で面接を待つ間は緊張しました。好きでドイツ語を勉強しているので、それほど苦にならず長年取り組んできましたが、さすがに面接直前は、「なんで好きこのんでこんなことやるんだろう。受けなければ、今頃テレビの前でごろんとしているだろうに」と意気消沈。口述1回目は緊張のあまり手に汗握り、準備してきた応答作文のペーパーがしけってしまいました。今年の口述2回目はガムをかんで落ち着かせました。野球の投手がガムをかむ気持ちが分かります。
口述試験の解説
・基本的な質問について
試験では、上のQ2、Q4のような基本的な質問があります。
ドイツ語を学ぶきっかけは。
なぜドイツに興味を持ったのですか。
ドイツ語を使ってどんなことをしたいですか。
基本的な質問は上記参考書に詳しくありますので、応答の準備をしておきましょう。
・発展的な質問について
基本的な質問に対する応答(以下「基本的な応答」という)を受けて発展的な質問があります。私の例で言えばQ3、Q6などです。
たとえば、ドイツ語を勉強するきっかけがピアノであれば、発展的な質問は「ピアノは何歳のころから習っているのですか」とか「どうしてピアノを選んだのですか」。
ドイツに興味を持ったきっかけが、サッカーをやっているからであれば、発展的な質問は「サッカーは今どのような練習をしていますか」とか「どこかのクラブに属しているんですか、それとも大学のサークルですか」とかになるのではと思います(あくまで想像です)。
だから、基本的な応答から、さらに発展的な質問がありますので、その質問を想定して応答(以下「発展的な応答」という)を用意しておくべきでしょう。口述1回目では、この発展的な応答の準備が不足していたと反省しています。
それと、基本的な応答で全てを話さず、次の発展的な質問がしやすいような応答をすると、自分の想定内の発展的な質問がきます。上の例で言えば、
A2の基本的な応答では仕事のアウトラインしか答えていません。口述1回目では発展的な質問で、更に仕事について詳しく尋ねられましたが、用意していなかったのでしどろもどろでした。今年の口述2回目は発展的な応答を用意して臨みました。
A4の基本的な応答では、ドイツのどこに住んでいたかを答えていません。試験官には次の発展的な質問で「どこに住んでいましたか」を聞いてくれればと期待して答え、実際発展的な質問はそのようになりました。試験官からの一方的な「尋問」ではなく会話形式ですから、会話がはずむよう積極的に「誘導」してかまわないと思います。
・もう一度基本的な質問について
基本的な質問はある程度決まっているようで、いきなり「どんな音楽が好きですか」とか「どんな本を読みますか」とかは無いようです。これらの質問が出る時は、あくまで基本的な応答が「ドイツの音楽に興味を持ったから」だったら、発展的な質問で「では、どんな音楽が好きですか。」
基本的な応答が「大学でドイツ文学を勉強しています」だったら、発展的な質問で「では、どんな本を読みますか」でしょう。
・意見を求める質問について
上記参考書では、「ところでゴミのリサイクルや原子力についてどう考えるか」というのもあり、応答できるように準備はしましたが、私の場合、このような質問は2回とも受けませんでした。
終わってみて感じる事は、ドイツの会社に就職活動したら、面接試験はこんな感じなんでしょうかね。専門課程でドイツ語を学んでいる大学3・4年生が受けるべき、有意義な検定試験だと思います。
独検を受けた感想
昔取った杵柄はぼろぼろだった!
Goetheでは170時間×5コースですから850時間勉強したことになります。受験資格は問題ないのですが(笑い)、合格までこんなに時間がかかるとは。昔取った杵柄はぼろぼろでしたね。
二毛作
実は、独検と平行して補償業務管理士という民間資格を受けていました。これは7部門あって、毎年1部門づつ受験します。建築士等の資格を持っていると受験免除になる部門があるので、7部門全部を受験する必要はありません。私の場合、2004年時点で残り4部門となっており、2005年4月に営業補償・特殊補償部門、2006年4月に補償関連部門、2007年4月に土地評価部門のそれぞれ一次(筆記)試験を受けて各年の7月には二次(口述)試験を受けて合格しました。ちなみにこの試験は、口述試験に落ちても筆記試験は有効で、口述試験のみを次年度以降に受ければよいことになっています。また、2005年5月には測量士補も受けて合格し、補償業務管理士の土地調査部門が免除になりましたので、7部門全てクリアーしました。冬から春かけて業務関係の資格の勉強をし、夏から秋にかけて独検の勉強をしと3年間は二毛作状態でした(独検は刈り取りまで時間がかかりましたが)。業務関係の資格はそれぞれ一発合格でしたが、独検はこの四つ(補償業務管理士試験×3部門、測量士補試験)の合計よりも勉強して、やっとこさっとこ。独検は主に現役の学生が受ける想定でしょうから、私のようにドイツ語から離れている社会人が独学で受けるには、想像以上の困難が伴いますね(単に能力の問題かも)。今は無くなった某駅前留学のような語学学校に通う方法もありますが、地方だとドイツ語のネイティブの先生はおらず、魅力に乏しいお茶の間留学だけでした。幸い長崎外国語大学がありますので、要所要所でお世話になりました。
二足のわらじを目指してみましたが、凡人には高いハードルです(笑い)。2005年の一次試験前日は、鹿児島で研修講師として演台に立つなど、仕事との両立は大変だし、また、理系の人間なので、文系の資格は無理なのかなとあきらめかけたこともありましたが、何とか目標にたどり着くことができ、これまでご指導いただいた皆様に深く感謝いたします。
社会人が忙しい合間を縫って、いかに資格試験に取り組むか。こちらのページ「補償業務管理士 7部門取得への道のり」を参考になさってください。
Viel Erfolg!
この長い文章を最後まで読んでくださった方は、多分独検を受験しようと思われている方でしょう。受験前はどんな試験でも難しく感じるものです。だって、試験の問題がスラスラ解けるなら、受ける必要は無いでしょうから。
語学は長く地道な努力を必要とします。モチベーションを上げる手段として、このような検定を受けることは有効ですね。そしてふとした瞬間に語学力が上がった実感があります。それはもう嬉しい瞬間です。だから語学はやめられない(笑い)。合格まで4年もかかって恥をさらしてしまいましたが、この受験記が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。ご成功をお祈りします。2008.2.9
Es ist nicht genug, zu wissen,
man muß auch anwenden;
es ist nicht genug, zu wollen,
man muß auch tun.              Johann Wolfgang von Goethe
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