TOP
アウトライン
ニュース
番組ガイド
最新番組へ
番組一覧
出演者
舞台背景
インタビュー
Q&A
管理人
ドイツ映画
#103
Links
IMDb
私が見たドイツ映画
Back ひとつ前の作品へ戻ります Deutscher Film, den ich gesehen habe. 次の作品へ進みます Next
Vollgas - Gebremst wird später
フルスピード
05/独TV/字幕/ドイツ語版/92分
監督:ラスル・モンターク
出演:バレリー・ニーハウス、ヤン・ゾスニオク、ザーシャ・ゲーペル
解説:アウトバーンコップばりのノンストップ・カーアクション。
アウトバーンコップ・ファンに安心してお勧めできるジャーマン・アクション
ファンの方から、「アクションは、コブラ11並に手抜き無しの映画で、面白かった。『主役』の車は大好き。」と感想を頂きました。同感です。以前見た作品ですが、私も皆様にお勧めすべく、再度見直して記事を書くことにしました。
ProSieben放送局が、「ジャーマン・アクションはRTL放送局だけじゃないぞ。」との意気込みで送り出したTVムービー。原題は「フルスピード ブレーキはまだだ」。
仮に「アクション・コンセプト社作品です。」と言われても見抜けないほど違和感なし。ロケ地はアウトバーンコップ(以下「AC」という)と同じデュッセルドルフ近辺だし、ACに比べるとアクションは小粒ですが、作風は似ているので、ACファンなら十分楽しめると思います。
18禁のアブナイ映像は全くないので、お子様と一緒にどうぞ。緊迫状態のシチュエーションだとどうしても早口になります。そうすると情報量が多くて、字幕だと表現に限界があり、おもしろいところが表現出来ていません。本作品は積極的に日本語吹替版でご覧になることをお勧めします。
配役
●社長夫人クリスティーナ・ホルツバウアー役バレリー・ニーハウスValerie Niehaus
ACでは、見たことがありませんが、いかにもドイツ人らしい女優さん。私のタイプです。
●ドライバー・ベン役ヤン・ゾスニオクJan Sosniok
モデル出身の彼にしては気が抜けた感じでダサイな~、と思っていたら、中盤から急に顔が引き締まって彼らしいオーラが出ていました。AC第52話(Auf der Flucht、邦題:逃亡犯)にゲスト出演。
●ベンの友人で車椅子に乗るフレッド役ザーシャ・ゲーペルSascha Göpel
今話にゲスト出演していたため、この作品をこのページに掲載しました。難しい演技を自然にこなしている印象でした。
●フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI  WV Golf GTI(5th gen.)
もうひとり?の主人公。普段はファミリーカーとして使いながら、その気になれば攻められる車。こちらのカタログ※で間違いなければ、コンパクトなボディに2000cc直列4気筒DOHCターボエンジンで200ps(147kW)を叩き出す。家猫のフリをした俊足のチーターですね。
劇中では、この車の性能を遺憾なく発揮。高速列車ICEとの併走は面白いアイデア。でも、ICEは時速200km程度出ているハズだから、あんな細道を同じ速度で走れるなんて凄い。そして、あれだけドッスン、キリキリ舞に走り回ってキズ一つなく最後まで綺麗でした(笑い)。
Volkswagen GTI photographed in USA.de.wikipedia.org Date:11/13/2009/Author:IFCAR
Volkswagen GTI photographed in USA.
de.wikipedia.org
Date:11/13/2009/Author:IFCAR
印象 
1.カーアクション
シナリオは、想定の範囲内。見どころはカーアクションでしょう。
車を走らせ続けなくちゃならない理屈をドイツ人らしく示してくれますが、そんな強引な設定は置いといて、ともかく走り続けることで、次から次に訪れる危機を、ベンの凄いドライビング・テクニック、助手席のクリスティーナのサポート、そしてフレッドの頭脳で乗り越えていきます。
個人的に一番気に入ったシーンは、中心市街地の狭い路地でのカーチェイス。車、周りの風景、カフェのテラスなどなど、画面一杯にドイツらしい味が出ていました。そのシーンの締めに、石造りのゲートを主人公らが乗るゴルフはスルッとくぐるのに、追うオペルのパトカーは車巾がオーバーして身動きできず。その後、ベンとクリスティーナが顔を見合わせて、ニコッとするシーンは、視聴者も幸せな気分。
2.人間模様
主人公の、反目しあう男女が、同じ車で運命を共にしたら・・・。魅力的な二人なのに、ほとんど車に座りっぱなしのシーンだけなのが少々残念。
フレッドは不自由な体で、コブラ11の行動力と、アンドレアの分析力と、ハルトムートの頭脳でもって事件解決に当たります。車椅子に乗っているので視線が上向きになり、「名探偵コナン(「Detektiv Conan」としてドイツでも知名度があるらしい)」のような雰囲気もあり、手際よくITを使いこなすところが賢明で格好いい。
巨漢コンビの刑事も登場しますが、こちらはボンラートとヘルツベルガーのデコボコ・コンビのノリで和みます。到着したヘリはまず給油。再び飛び立つまでのユルユルのシーンは、笑うよりほかないですね。自転車に乗る警官は珍しかった。
犯人らのアジトのビルは、ACで見たことがあるような、無いような・・・。
3.音楽
グロリア・ゲイナーGloria Gaynorの「恋のサヴァイヴァル(I Will Survive)」が廃退的にアレンジされていました。いつ聞いても心に残るいい曲ですね。Youtube※ この曲を聴くと映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(Knockin' on Heaven's Door '97独)」を思い出します。
4.ナビ
今回はナビゲーション・システムが重要な役割を演じます。アナウンスはドイツ語。私には問題なとして(と、言い切れるようにもっとレベルアップしなくちゃならないのですが)、ネットで調べると英語でもしゃべってくれる模様。驚くことに米国だと日本語もしゃべるナビもあるようですが、ドイツはそこまでいってないみたい。
5.管理人の独り言
ここのところ、ドイツ発ビデオの英語版を見ていたため、10日ぶりくらいにドイツ語版ビデオを見ると、故郷に帰ってきたような安心感。新婚旅行を思い出しました。日本を出発してパリのシャルル・ド・ゴール空港に到着。英文科卒の新妻も、私も仏語は使い物にならず、英語だけで通し苦労しました。地球外の星をさまよっているみたい。旅程は私が計画したのに、右往左往で新郎のメンツ丸つぶれ。パリを観光した後、夜行列車でドイツ・ハイデルベルクへ。駅のアナウンスを聞いたときは嬉しかったし、ホッとしました。「古里に帰ってきた!」と。私にとって、ドイツを旅行することは、国内旅行と変わらないので、それからは思い描いた新婚旅行の実現。やっと名誉回復出来ました(笑い)。
ハリウッド映画を英語版で見る分には問題ないとして、画面はドイツの味付けたっぷりなのに、音声だけ英語だとドイツのビールにコーラを注がれたような感じ(ネガティブなイメージで書きました。「ビールのコーラ割り」って、私には腰の引ける飲み物ですが、ビールの苦みが苦手な人にはいけるらしい。脱線してスミマセン)。ジャーマン・アクションを見られるだけマシだけど、出来ればドイツ発ビデオはドイツ語で見たいですね。この作品はドイツ語版だったので、このシチュエーションではこんな言い回しを使うよな~、といろいろ参考になりました。また、原語でどう言ってるんだろうと聞き取れないところも多く残り、加えてドイツ語字幕で見られれば最高の教材。左はドイツ版のDVD。ドイツ語字幕が出るなら取り寄せたいな~。
この作品が作られた2005年頃と言えば、ACは第9シーズン(復活したトムとゼミルのコンビ)。この作品はACのTVムービーを少しレベルダウンくらいの、典型的なB級アクションですが、
・私のお気に入りのAC第4シーズンTVムービー(通称オリジナル版)と同じような、止まらない車の設定。
・出演者は好感が持てる。特に車椅子のフレッドの手際よさが格好いい。
・画面一杯にドイツの味付け
と言うことで、意外と楽しめてお気に入りの1本です。2009.12.30
 
私が見たドイツ映画へ戻ります ひとつ前の作品へ戻ります ひとつ先の作品へ進みます
ドイツ映画へ もどる 次へ



Seit 11.Feb.2003 Happiness裕之介