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アラーム・フォー・コブラ11 シーズン9 邦版第11話 正義ある信念
レンタル版:ワイルドランナーXX
第9シーズン 第131話 Zivilcourage(直訳:信念を貫く)
制服警官ボンラートの息子ヨッヘンがリムジンの運転手で登場。信念を貫いたことで、悪の組織に拘束される。一方コブラ11は麻薬密売事件を捜査。ふたつの事件はひとりの美女を介してつながる・・・。
Episodebeschreibung シナリオ
ヨッヘン・ボンラートは、リムジンサービスの運転手のアルバイトをしている。彼はトムとゼミルに、車中で目撃したことを話す。乗客が連れの女性を痛めつけたと。その結果、仕事に不安を持ち、余計なことに関わりたくないと思っている。トムとゼミルは別ルートでこの乗客と出会う。悪名とどろくコカイン密売人マルクス・ドレヴァーを捜査で追いつめたのだ。ドレヴァーは逮捕の後病院へ。捜査の結果、悪人は、たった一度の使用で依存症になってしまう新種の強力な麻薬を密売していることが分かった。しかし彼は小魚に過ぎず、警察は黒幕のシッポをつかみたい。ドレヴァーは病院に侵入した殺し屋から撃たれる。ドレヴァーの所持品から航空機の便名を記したメモが見つかり、「ヘルマン・エクスプレス・カーゴ」が捜査線に浮かぶ。この会社が麻薬を密輸したのか。ヨッヘン・ボンラートの話しによれば、この会社のオーナー、フランク・ヘルマンも同じく粗暴な乗客だった。ヘルマンは、彼女のノラ・リンドベルクを明らかに虐待している。ノラに同情したヨッヘンは、トムとゼミルに知らせないまま、彼女をヘルマンの元から連れ出す。そして父ディーター・ボンラートにかくまってもらう。ノラがいなくなったことに気づいたヘルマンは、彼女を探すために手下のリチャルド・シュトルンクを差し向ける。シュトルンクは、ヨッヘンを陥れ、誘拐する。
(www.episodeworld.comを参考しにました)2008.12.22掲載、2009.1.12一部修正
Darsteller 出演
ゲスト出演のみ紹介●ディルク・ハインリッヒス(フランク・ヘルマン)、セバスチャン・ヘルマン(マルクス・ドレヴァー)、ティルベルト・シュトラール・シェーファー(ヨッヘン・ボンラート)、イナ・パウレ・クリンク(ノラ・リンドベルク)、トーマス・ヴッパー(リチャルド・シュトルンク)
Eindruck 印象
インターネットでドイツ語版を見た印象(1/2)
やたら細かい分析になってしまいました。結論から言うと、展開はやや単調ですが、ゲスト出演者、アクションシーンは良いので見て損しない1本だと思います
要所要所で「よく気が利きく」秘書のアンドレアが出てきます。ゼミルらが欲しそうな情報を先回りして提供し、有能ぶりを発揮。ゼミルが惚れるのも当然だ(但し、この回では既に結婚していますが)。冒頭ではゼミルの友人シュレーダーの屋台車。珍しく「Schröder’s Imbiss(シュレーダーの軽食屋)」と看板が出ていました。
ゲスト出演者

ノラ・リンドベルク役イナ・パウレ・クリンク:美人ですね。宝石を付けるとますます美しい。Wikiによれば、役者だけでなく歌手でもあるとのこと。
フランク・ヘルマン役ディルク・ハインリッヒス:いかにも悪役らしい渋い演技。そのままファッション雑誌の表紙を飾ってもおかしくないようなチョイ悪オヤジみたい。
二人ともRTL放送の別の連ドラに主演しているようで、ドイツでは有名な役者さんなんでしょう。もうひとりの悪役リチャルド・シュトルンク役トーマス・ヴッパーも含め、ゲスト出演の役者さんの、見る者を圧倒する演技力は秀逸。しかも明瞭な発音なので、聞き取りもしやすい。ヘタな役者は出さないようで。
ヨッヘン・ボンラート: 制服警官ボンラートの息子ヨッヘンは、第87話、第119話でも登場し、今回とは別人のヨナ・ムエスが演じています。
アクション・シーン
冒頭、一般の高速道路での映像に、撮影専用の高速道路での映像も違和感なく絡めて、良くできています。バスに突っ込むシーンは凄まじい。
中盤のカーアクションはメチャクチャ。新車のような高級車を壊わしちゃいました(壊すときは廃車同然の車を使うことが多いですが、今回代車には見えなかった)。
クライマックスのカーチェイスも見事。犯人はオープンカーで逃げます。オープンカーだとスタントマンの顔が写るので、撮影は難しいはず。明らかにスタントマンだと分かって興ざめすることがあるのですが、今回はノラが飛び移るシーンも含めて、普通の再生速度で見ている分にはほとんど違和感がありませんでした(意地悪くスローで見ると、しっかりスタントマンの顔が写っている、ということはあるかもしれませんが)。と言うことで、今回のカーアクションは上出来だと思います。
なぜドイツでもDVDリリースされていないのか
2008年の年末に再放送された第128話、第135話、そして今回もドイツでDVDになっていません。第128話、第135話を見てみて、確かに出来がイマイチだったので、あくまで私の想像ですが、DVDには良い作品を選んであるのではと思いました。でも今回の出来は悪くない。強いて言えば、どんでん返しがなく、先が読めちゃう平凡な展開でしょうかね。ゲスト出演者、アクションシーンは良いので、DVDリリースされていない理由が分かりません。
  シナリオの補足
今回は分かりやすい展開ですが、日本語版が出ていないので少々補足させてください。聞き取りに自信ありませんので、間違っていたらゴメンナサイ。水色は私の印象。
冒頭、隊長の部屋でしかられるトムとゼミル。道路は渋滞するし、バスは壊すし、容疑者は病院へ。
「俺達に責任はありません。同僚が麻薬取引を監視していて、その応援に走っただけ…。」と神妙に答えるコブラ11の二人。
「証拠は」と問いつめる隊長。「ヤクはトランク一杯?、スーツケース、封筒、それとも1gかしら。」
隊長にしては、ねちねちとしつこいな~
麻薬はまだ見つかっていない。
「証拠を挙げるまで私の前に現れないで頂戴!」と声を荒げる隊長。
(中略)
科学捜査官ハルトムートがドレヴァーの車から麻薬を発見。コブラ11の二人が隊長に電話連絡すると、「そんなものが我々の管轄区域で出たの」と驚く隊長。
(中略)
トムとゼミルがドレヴァーの病室へ。ドレヴァーは射殺されていた。英数字が書かれたメモを見つけた二人は、なんのメモだろうかと推理する。銀行の口座番号?自動車のナンバー?
するとトムが「便名では」とひらめく。「お前もたまには気が利いたことを言うな」とゼミルが返すと、二人でニヤニヤ。
難しくはないので、聞き取れた方も多かったと思います。私もコブラ11と一緒に笑っちゃいました。聞き取れたときは嬉しかった。ドイツの映画館は、吹替上映が原則。だから日本映画の俳優さんもドイツ語を話します。映画館で周りのドイツ人が笑って、自分だけ聞き取れずシラ~としているのは辛い。語学のレベルを上げたいと思う瞬間です。次にドイツへ行ったときは、「グッバイ、レーニン!」のように、抱腹絶倒の映画を選んで映画館に飛び込んでみたい。そしてドイツ人が10回笑ううちの、2・3回でも笑えたら、これまでアウトバーンコップで勉強してきた苦労が報われそう。な~んちゃって、ちょっと格好いい事書いてしまいましたが、実はお気楽に勉強しています(笑い)。
(中略)
ヨッヘンはノラを自宅へ連れて行く。父には「大学の古くから友達で、彼女の住まいの水回りが故障して水が使えないので、2・3日ゲストルームに泊まらせたい」と説明。
父にウソをついたため、後々の捜査でヨッヘンが拉致されている場所を探し出すのに、時間がかかった。
このシーンの前に、水辺で二人が話します。ヨッヘンはノラを「Frau Lindberg(リンドベルクさん)」と丁寧に呼びかけます。返すノラもヨッヘンを「ヨッヘン・ボンラート」とフルネームや敬称Sieで呼びかけます。まだこの時点では二人にちょっと距離があります。
それが、ヨッヘンの自宅でヨッヘンが出かける際に、ノラは「ヨッヘン」とファーストネームだけ。もう親しくなってますね。水辺から自宅へ移動する際に、もう一幕あった事を感じさせます。
ドイツ語の敬称Sie・親称Duについては、
第7シーズンTVムービーをご覧ください。
(中略)
トムとゼミルは、ヘルマン・エクスプレス・カーゴ社を訪ねる。トムがヘルマン社長に「お宅の飛行機で麻薬が運ばれた」と告げる。
ヘルマン社長は「そのフライトはチャーター便だ。うちの飛行機でそんなことが行われたのか」と被害者を装う。
  フォルクス・ムジーク(Volksmusik)
トムの携帯の呼び出し音は、「フォルクス・ムジーク」のカテゴリーでしょうか。音楽には詳しくないので間違っていたらゴメンナサイ。ノリノリの音楽に私も足でリズムを取ってしまいました。ベースはドイツ民謡らしく、酒場などでよく流れています。酒場の雰囲気でビールを飲みたくなっちゃった。確かに音ならなんでも呼び出し音にできますよね。今でこそ当たり前ですが、今回は2004年制作なので、当時の最新機種だったのでしょう。また女性のあえぎ声も呼び出し音になっていて、いつもはボンラートとヘルツベルガーのずっこけに笑わせてもらいますが、今回はトムでした。
道路標識 高速道路終点(Verkehrsschild, Ende der Aautobahn高速道路終点
冒頭、高速道路の本線の終点に、一般道との交差点が出現します。日本だとあり得ない構造です。ドイツの高速道路は、日本のように新設する場合もありますが、一般道を高速道路に作り替える場合もあります。そのため、高速道路が一般道にそのまま接続する構造があり得るわけです。それで高速道路の終点には、番組でも一瞬写りますが、右のような標識が掲げられています。
タイトルZivilcourage(ドイツ語学習者向け記事)
番組を見る前、タイトルの「Zivilcourage」に対して「市民の勇気」という訳を当てていました。番組を見ると、どうもしっくりこないので、再度辞書に当たると「(理不尽な事柄に対して市民として)自己の信念を主張する勇気(Bismarckの造語)[小学館 独和大辞典]」とあります。発音は、ツィヴィール・クラージェ。
これは、水辺でノラが「なぜ、そんなに気づかってくれるの」と質問すると、ヨッヘンが信念を述べ、ノラが「ツィヴィール・クラージェね」と答えるシーンですね。31分過ぎには、事情を察知したゼミルも口にしています。また、クライマックスで見せるノラの行動も「ツィヴィール・クラージェ」でしょう。それでタイトルを「信念を貫く」に書き換えました。確かにヘルマンのノラに対する一方的な愛は理不尽ですね。まあ、そのように視聴者に思わせるところが制作者の意図なんでしょう。ツボにはまっちゃいました。日本語版を出してもらって、皆さんに楽しんでいただきたいな~。2009.1.13
日本語版(FOXMOVIESで2009.10.6放送分を見た印象)
ドイツ版の補足
2005.10.31と2006.7.31にリリースされたドイツ版第9シーズンDVDにこの回は収録されていません。2010.8.6に再リリースされたDVDには収録されました。なぜ最初のDVDに収録されなかったのか本当の理由は知りませんが、これまでの経緯からすると、ヨッヘンが拘束されて詰問されるシーンが問題だったのではないかというのが私が出した結論です。
日本語版について
ほぼ1年半前にドイツ語版を見て拙い語学力で長々とコメントしていますが、今回日本語版を見て内容を確認したところ、致命的な聞き間違いがなくて安堵しています。全く違っていたら「何年独語をやってるんだ~」と落ち込むところでした。
と書けば格好いいけど、実はドイツ語版では聞き取れてほぼ間違いないだろうと思えるところだけを書いています。実は聞き取れないところも多々あって、日本語版は聞き取れなかったところを丁寧に見ました。丁寧に見るのはいいんだけど、そうすると最後のカーアクションは、スタントマンの顔が見え隠れして興ざめ。こんな意地悪な見方をしてはいけないですよね。TV放送を細部にこだわらず一気に見て、「おもしろかった!」と思うのが王道。製作スタッフの皆様、ゴメンナサイ。
ロケ場所
冒頭は前回の第130話と同じサービスエリア・アイフェルトア。長いこと気づかなかったのですが、この場所ってたびたびロケに使われているんですね。
クライマックス、飛行場でのカーチェイス。「マイナーツハーゲン飛行場」と話されているので、調べてみると「マイナーツハーゲン飛行場 Regionalflugplatz Meinerzhagen」がケルンの東約50kmに実在しています。航空写真で見ると小さな飛行場なので、カーチェイスが行われたのは別の場所だと思われます。多分デュッセルドルフ空港かケルン・ボン空港周辺だと思われますが確認は取れませんでした。そのカーチェイスに使われた黄色い車は、スズキ・ジムニーでした。
アクション・シーン
冒頭、車がバスに突っ込むシーンは何度見ても凄まじい。
クライマック、ジャンプした車が赤いヘリをかすって横転します。飛行場という設定だからヘリがいてもおかしくはないけど、ビルの前にモニュメントのように置いてあるみたい。第8シーズンで紹介したドイツ版DVD「Vol. 1 (Limited Special Edition, 2 DVDs)」にヘルマン・ヨハ監督のインタビューがあって、場所は背後のガラス越しにヘリが見える部屋の一室。ここかなとも思ったのですが、手掛かりはありませんでした。
今回のドイツ語(ドイツ語学習者向け記事)
Klingelton 着信音(着メロ)
トムがケータイの調子が悪いと言い訳しているけど「火のないところに煙は立たない」わけで、新しいケータイに手を焼いてるのかな~。この単語、最新の電子辞書で引いても独和では出てこず、独英、独独のみ表示。まさしく「生きたドイツ語」ですね。
Zivilcourage 自己の信念を主張する勇気
もう一度、Zivilcourageについて。ドイツのニュース番組を見ていて、たまにこの単語を耳にすることがあります。この番組で覚えた単語なので嬉しかったです。
番組に戻って、ドイツ語版では聞き逃していましたが、冒頭で既にゼミルは口にしています。コブラ11の警官としての使命はまさしく「Zivilcourage」なんでしょう。これまで8年余彼らの捜査を見ていて、悪に対する正義感あふれる信念は揺るぎないですね。ただ熱心なあまり、隊長に叱られるほど、高速道路をスクラップの山にするのは考えものだけど(視聴者サービスですよね。ありがとうございます)。
ところで、悪役ヘルマンのノラに対する一方的な愛も、他人から見ると理不尽に見えても本人にとっては信念を貫くZivilcourageなのでしょう。クライマックス、危機的な状況に陥っても彼女を連れ回すエネルギーは、良い悪いは別にしてたいしたもの。
ドイツ人は、全員とは言わないまでも国民性として自分の主張を他人の発言を遮ってでもはっきり言います。彼らに「自己の信念を主張する勇気」を更に与えてしまったら、どうなるのかと恐ろしいほど。
日本人は、夏目漱石が言った「智に働けば角が立つ 情に棹せば流される 意地を通せば窮屈だ・・・」がしっくりきますが、これだけ国際交流が進むと、日本人こそ「自己の信念を主張する勇気」が必要でしょうね。
昔見た映画「天国にいちばん近い島」を思い出します。劇中原田知世が「私ってワガママでしょうか」と問うと、乙羽信子が「いいのよ、ワガママを言い過ぎるほど人生は長くはないわ」というセリフが印象に残っています。それとスマップの「世界に一つだけの花」で唄われる「ナンバーワンではなくオンリーワン」という主題が好きです。
物事には二面性があって、自己の信念を主張すればワガママだと言われるし、オンリーワンを目指せば変わり者だと見られるし、夏目漱石の「・・・兎角に人の世は住みにくい。」に続きますが、できるだけ人様に迷惑をかけない範囲で「ワガママの変わり者」でかまわないので、これからもアウトバーンコップの世界にのめり込んでいきたいと思います(笑い)。2010.8.8
インターネットでドイツ語版を見た印象(2/2)
これ以下ネタバレかも
  まだまだあります。ネタバレかもしれませんが、事件の核心ではないので書かせてください。クライマックスで、父ボンラートがトムに「息子に何の入れ智恵をしたんだ」と問うと、答えに苦慮するトムに代わって息子ヨッヘンが「ツィヴィール・クラージェ」と答えます。つまり冒頭のシュレーダーの屋台車のシーンですよね。「Zivilcourage」に込められた制作者のアイデアに脱帽。
個人的には楽しめたので、長々と書いてしまいました。最後までお読みいただきありがとうございました。2009.1.13 
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Seit 11.Feb.2003 Happiness裕之介