We support unisef 世界の子どもたちの笑顔のために、わたしたちはユニセフを応援します。

Eine Deutschlandreise 2011 ドイツ旅行 (1/4)
ご覧になっているページ 2ページ目へ移動 3ページ目へ移動 4ページ目へ移動
Inhalt 目次
1 Rostock ロストック、フラウンホーファー研究所
2 Stralsund シュトラールズント、造船所
3 Freiburg フライブルク、環境首都
4 Würzburg ヴュルツブルク
Überblick 概要
 2011年春、ゴールデンウィークをはさんだ14日間、造船所に勤める弟と、新婚旅行以来20年ぶりとなるドイツ旅行。目的は休養、旧友訪問など様々ありますが、ここでは1.ロストック、フラウンホーファー研究所、2.シュトラールズント、造船所、3.環境首都フライブルク訪問などについて記載します。
 なお掲載写真は特記がない限り、自前で撮影。参考のため30年前(1981年)に撮影した写真も掲載しました(30年前の写真にはその旨記載)。右の写真はフライブルク近郊のシュヴァルツバルト(黒い森)で弟と。
シュヴァルツバルト(黒い森)
写真1-0-1
お断り
情報の多くはドイツ語のウェブサイトなどから直接仕入れています。固有名詞等、日本語の定訳と異なることがあるかもしれません。そのためできるだけ原語も併記しました。
趣味のドイツ語なので内容の正確さを保証できません。その程度の語学力だと見逃してください。
※印のリンクページは、別ウィンドウが開きこのサイトを離れます。
Reiseweg 行程
4/27 福岡~成田~ミュンヘン1泊
4/28 ミュンヘン~ケルン3泊 アウトバーンコップ ロケ地探訪
5/1 ケルン~ロストック2泊 市内観光、研究所(このページ)、シュトラールズント市内観光・造船所
5/3 ロストック~ヴュルツブルク1泊 シーボルト記念館、ビュルガーシュピタール(ワイナリー)訪問
5/4 ヴュルツブルク~フライブルク2泊 環境首都視察
5/6 フライブルク~ミュンヘン3泊 BMWワールドと博物館メルセデス・ベンツ博物館バヴァリア映画村
5/9 ミュンヘン発 ~5/10 成田~福岡 ドイツ地図
全て自前で組み立てた手配旅行
航空会社は全日本空輸(ANA)。九州からだとアジアのハブ空港を経由して行く選択肢もありますが、たまっていたマイレージを利用し、特典航空券で出かけました。
ドイツ国内は主にジャーマンレイルパスを使い鉄道で移動。1日だけレンタカー。
宿は事前に日本からネットでホテルやアパート(注)を予約
注:家具・電化製品付きのウィークリーマンションの感覚で、1泊単位で宿泊可。
インターネットで、いろいろな情報収集から始まり、航空券、レンタカー、鉄道チケット、ホテルまで全て手配し、現地で会う方々とはメールでやり取りしました。即ちパスポートさえ手元にあれば、自宅のパソコンで手配して海外に出かけることができるということです。信じられないくらい海外旅行のハードルが低くなったと感じます。
1 Rostock ロストック
 語学学校時代(注1)からの知人で、ロストック在住の日本人女性を訪問。ドイツ人のご主人はフラウンホーファー研究所所長兼ロストック大学教授(以下「所長」と略させていただきます)。そのご縁で研究所や造船所を案内していただきました。所長さんにはご多忙にもかかわらず、1日半を割いていただき感謝感激。
 旧東ドイツ(注2)だったこの地を訪れるのは、生まれて初めて。
注1:大学を1年休学して、ドイツへ語学研修に行っていました。
注2:詳しくは2-4 旧東ドイツ地域の印象をご覧ください。
ヴァルネミュンデ遊覧船
写真1-0-2
1-1 Altstadt Rostock ロストック旧市街
1-2 Warnemünde ヴァルネミュンデ
1-3 Fraunhofer-Gesellschaft フラウンホーファー研究機構について
1-4 Fraunhofer Rostock ロストック フラウンホーファー研究所
1-5 Bad Doberan バート・ドーベラン
1-6 Nachwort あとがき
1-1 Altstadt Rostock ロストック旧市街
ロストック大学広場と大学 ハンザ同盟時代の繁栄を色濃く残す大学街
ドイツ北東部(旧東ドイツ地域)メクレンブルク=フォアポンメルン州、バルト海に面した港湾都市。なお「バルチック艦隊」の「バルチック」は「バルト」の英語読み。
デンマークの首都コペンハーゲンまで、海をはさんで約200km。
かつて中世ハンザ同盟の中心都市。人口約20万人。年間平均気温9.1度(札幌は8.7度)
1419年設立の大学は、ドイツで最も伝統のある大学の一つ。
写真1-1-1 中心部の大学広場と大学
ロストック旧市街地
写真1-1-2 旧市街地中心部
北ドイツらしい味のあるファサードが並びます。右手の高い尖塔を持つ建物が次に紹介する聖母マリア教会。
聖母マリア教会 Marienkirche
 町の中心に立つレンガ造ゴシック様式の美しい教会。15世紀半ば完成。堂内は、天文観測時計や巨大なパイプオルガンなど見どころ多数。
 建築学科の学生時代にドイツの教会を見て回って、スケールが日本の教会とは全く違う事に驚いた記憶がよみがえります。
ブロンズの洗礼盤 天文観測時計 1472年製作
写真1-1-3 ブロンズの洗礼盤 写真1-1-4 天文観測時計 1472年製作
ロストック 聖母マリア教会              聖母マリア教会 パイプオルガン 1770年製作
写真1-1-5 天井まで31.5m 写真1-1-6
パイプオルガン 1770年製作
日本語ガイドのリーフレット日本語ガイドのリーフレット
写真1-1-7 写真1-1-8
東京工業大学ドイツ語セミナーによる日本語ガイドのリーフレットが用意されています。
城壁 Stadtmauer
城壁 城壁 断面
写真1-1-9 写真1-1-10
旧市街地を囲む城壁は1/3ほどが現存。このように断面が観察できるとは珍しい。
メインストリート
メインストリート メインストリート
写真1-1-11 写真1-1-12
旧東ドイツ時代の建物も残るメインストリート。あまりにも画一的で無味乾燥なデザインは異様。写真1-1-2と見比べると一目瞭然。
1-2 Warnemünde ヴァルネミュンデ
 ロストック郊外にある情緒あふれる港町。この港を遊覧。ご覧の通り、澄み渡ったすがすがしい好天気。ただ気温は低く九州の真冬並みなので、船のデッキに立つと、バルト海の強風は肌に痛かった。
 主要な観光地が内陸部に集中しているドイツにあって、港町を訪れる機会はあまりありません。ここの景色は山が間近に迫っていないだけで、造船所が並ぶ長崎や佐世保と似ています。
ヴァルネミュンデ ヴァルネミュンデ
写真1-2-1 写真1-2-2
可愛い小船や、レストラン・居酒屋などがおしゃれ。ハリウッド映画「ジョーズ」や「オルカ」に出てくる船を彷彿とさせます。船着き場付近で。
ヴァルネミュンデ ターミナルビル ヴァルネミュンデ 港湾局
写真1-2-3 ターミナルビル
Warnemünde Cruise Center※独語
写真1-2-4 港湾局
verkehrszentrale warnemünde※独語
建築専攻の私は建物が目に止まります。ターミナルビルは2005年5月新築。鉄骨造2階建延べ3,200㎡。事業費550万ユーロ(約5億5000万円)
ヴァルノウ造船所 Warnow Werft 
ヴァルノウ造船所
写真1-2-5
バルト海に注ぐヴァルノウ川沿いに建つ造船所。以下Wiki.de(※、独語)より。
正式名称はNordic Yards Warnemünde GmbH。Nordic Yards(公式サイト※、独語)に属する造船所。
創立1946年、敷地面積850,000㎡、ドック320m×54m、700t級クレーン、従業員931名。
Nordic Yardsは、オフショア・ウインド・パーク建設用特殊船を開発中。
ヴァルノウ造船所 ヴァルノウ造船所
写真1-2-6 写真1-2-7
弟によれば、船型が弟が勤める造船所とは異なり、船尾の絞り込みがゆるく、またラダーにもドラフトマーク(満載喫水線)が描かれているとのこと。
ネプチューン造船所 Neptun Werft
ネプチューン造船所
写真1-2-8
 ヴァルノウ造船所を過ぎると、ネプチューン造船所が見えてきます。Neptun Werftの公式サイト(※独語)によると、1850年創業。既に160年以上の歴史を持つ造船所。河川・運河航行用の船舶を得意とする。従業員400名。
 係留中の船は、船名「Viking Restige」を頼りにネット検索すると、バイキング・リバー・クルーズ(Viking River Cruises AG、スイス・バーゼル)が発注した河川用観光船でライン川とドナウ川で運行予定。
ネプチューン造船所 ネプチューン造船所
写真1-2-9 写真1-2-10
浮きドックの建造船。船形が平べったい。これも河川・運河航行用の船舶と思われます。
その他見かけた船
消防艇 消防艇
船体に「Feuerwehr(消防)」と書かれています。
写真1-2-11 消防艇 Feuerlöschboot
タグボート タグボート
左側の船名「Fairplay Ⅱ」を頼りに調べてみると、Fairplay Towage(Fairplay Schleppdampfschiffs-Reederei Richard Borchard GmbH)というヨーロッパを代表するタグボート会社に属する船。
Fairplay Towageの公式サイト(※、独語)によるとロストックには計4艇が配備。右側の船は、同サイトの画像から判断すると「Fairplay Ⅴ(※、独語)」。
写真1-2-12 タグボート Schleppschiff
1-3 Fraunhofer-Gesellschaft フラウンホーファー研究機構について
 フラウンホーファー日本代表部の公式サイト(※、日本語)によれば、「フラウンホーファー研究機構(FhG)はヨーロッパ最大の応用研究機関であり、ドイツ国内にある60の研究所を含む80の研究ユニットでは『社会に役立つ 実用化のための研究』をテーマに、あらゆる科学技術分野において応用研究を行っています。」とあり、ドイツを代表する研究機関です。
1-4 Fraunhofer Rostock ロストック フラウンホーファー研究所
プツマイスター社のコンクリートポンプ車のミニチュア 所長室にて
 所長の専門は機械工学と船舶工学。左写真のポンプ車は、福島第一原発事故で活躍したものと同型機で、所長が古巣のシュトゥットガルトで開発したとのこと。
所長室にて 所長室にて
写真1-4-2  写真1-4-3
     
写真1-4-1 プツマイスター社のコンクリートポンプ車のミニチュア
所内見学 
ロストック フラウンホーファー研究所 ロストック フラウンホーファー研究所
写真1-4-4 写真1-4-5
所長のドイツ語による説明を、友人が通訳してくれて、私の弟に日本語で説明。
パネルヒーター
ロストック フラウンホーファー研究所 実験棟 ロストック フラウンホーファー研究所
写真1-4-6 実験棟 写真1-4-7 パネルヒーター
 天井に見慣れないパネル。尋ねるとパネルヒーター(温水暖房放熱器)とのこと。1月の平均気温が最高3.0度、最低-1.1度と、寒い国ならでわ。
 温かい空気は上へ対流するためパネルヒーターは一般的に腰壁に付けますが、作業スペースを有効に使うため次善の策なのでしょう。輻射熱は全体に降り注ぐため、小春日和の快さがあるのではと想像します。
3Dレーザースキャナー(MENSI GS200) 3Dレーザースキャナー(MENSI GS200)
 ここでは船舶の外装板の精度管理に使われているとのこと。販売元であるニコン・トリンブルのサイト(※、日本語)を見ると、遠隔地から安全に建物をスキャニングし、3Dモデルから図面が作成できるようなので、災害地で大量の建物調査を迅速に行いたいときは威力を発揮するでしょう。
 実際、福島第一原発の原子炉建屋カバー建設工事では、近づけないためこのような3Dレーザースキャナーが役立ったらしい。
写真1-4-8
浮体式洋上風力発電の実証実験 浮体式洋上風力発電の実証実験
 既に実証機が作られ、実験中とのこと。日本も環境省の報道発表資料※を見ると進められているので、国同士競い合って開発を急いでいる印象。
週 刊誌シュピーゲル2010.9.20号によれば、国の目標として2030年には風力の60%、総発電量の15%を洋上発電でまかなうという野心的な計画。
 更に記事を読み進むと、造船では中国勢に押されて儲からないため、風力発電機を作る工場に業種転換するところも現れたとあります。
写真1-4-9
ロストック フラウンホーファー研究所 プレゼン室 プレゼン室
 ある造船所のリニューアル工事計画を3D映像で拝見。
 立体感のある映像はわかりやすくて良くできていました。それ以上に、このように設備が整った常設のプレゼン室があるなんてうらやましい。
写真1-4-10
研修室・玄関ホール
ロストック フラウンホーファー研究所 研修室 ロストック フラウンホーファー研究所 玄関ホール
写真1-4-11 研修室 写真1-4-12 玄関ホール
 左側の写真は学校形式50席の研修室。背面のパーテーション(茶色の壁)の反対側は、右側の写真の玄関ホール。席が足りないときは、パーテーションを解放して玄関ホールにも椅子を並べ客席に。多用途に使える工夫が素晴らしい。
ロストック フラウンホーファー研究所 研究所は新築したばかり
 この建物は、いただいた資料によれば新築したばかり。設備が整った最新鋭の研究施設。
 それまでは旧東ドイツ時代の狭い老朽家屋を使い、資料の山に埋もれて仕事をしていたとのこと。グッド・タイミングの訪問でした。
写真1-4-13
1-5 Bad Doberan バート・ドーベラン
 美しい並木道を抜けてロストックの近郊のバート・ドーベランの教会を見学。
ドーベラン・ミュンスター Doberaner Münster
 この地にある修道院の教会。1368年に献堂。長い歴史を持つだけに、堂内には一時代を築いた知名人の墓など多数。以下説明文はDoberaner Münsterの公式サイト(※、独語)などから。
バート・ドーベランへ向かう並木道
写真1-5-1
ドーベラン・ミュンスター 模型 ドーベラン・ミュンスター 外観
写真1-5-2 堂内にあった模型 写真1-5-3 外観
15世紀時代を再現した模型から、教会堂の周りには修道院関連の建物があったことが分かります。外観は、高塔を持つ典型的な北ドイツのレンガ造ゴシック教会。
ドーベラン・ミュンスター 主祭壇 ドーベラン・ミュンスター 十字架のキリスト像
写真1-5-4 主祭壇 写真1-5-5 十字架のキリスト像
ドーベラン・ミュンスター 霊廟 ドーベラン・ミュンスター 棺型墓
写真1-5-6 写真1-5-7 
アドルフ・フリードリヒ1世(注1)とアンナ・マリア(注2)の霊廟
注1:17世紀のメクレンブルク公爵
注2:公爵の最初の妻
公爵は二人の妻との間に19人の子供を授かり、うち12人が成人。
アルブレヒト3世(注3)とリヒャルディス(注4)の棺型墓
注3:15世紀のメクレンブルク公爵兼スェーデン王
注4:公爵の最初の妻
公爵は二人の妻との間に少なくとも4人の子供を授かった。
ドーベラン・ミュンスター ドーベラン・ミュンスター
写真1-5-8 ステンドグラス 写真1-5-9 ビューロー礼拝堂
右:ビューロー礼拝堂 14世紀の3/4に渡ってシュヴェリーン司教区の司教を勤めたビューロー一族にちなむ。
1-6 Nachwort あとがき
ロストック港の夕焼け
写真1-6-1 ロストック港の夕焼け 20時半頃
ただでさえ遅いドイツの日没が、北へ来るとますます遅くなり、夜を長く楽しめます。
ビール天国!
ロストックの地ビール 醸造所併設レストランのビール
写真1-6-2 ロストックの地ビール 写真1-6-3 「Zum alten Fritz」は醸造所併設レストラン
 一日の終わりはアルコールで、と言うか、ドイツでは水代わりに朝からでもビールを飲むくらいビール天国。でもそれを日本人がまねると仕事にならないので、夜だけにしておこうと最初思うのですが、郷に入れば郷に従えで、恐ろしいことになっていきます(笑い)。
ご覧になっているページ 2ページ目へ移動 3ページ目へ移動 4ページ目へ移動 2ページ目へ進む
Rostock Stralsund Freiburg Würzburg 2.Stralsund
 


Copyright(C)2011 Hiro Kofuku All rights reserved