Stammtisch ドイツ語研究会

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>2004年2月号 前置詞、母国語


前回のメールで、直訳を「美しき青きドナウに寄せて」と訳してあるサイトもありましたと述べました。今回はこれについて考えてみます。
「寄せて」が付く曲と言えばシューベルトの「楽に寄す(音楽に寄せて)」、原題は「An die Musik」です。Musikが女性名詞ですので4格支配になっていることが分かります。
おさらいですが、前置詞anは3,4格支配で、位置を示すときなどは3格支配、方向を示す時などは4格支配でしたね。
例文として、3格支配、Bonn liegt am Rhein(ボンはライン河畔にある).
der Rheinで男性名詞ですから、an dem Rheinを略してam Rheinです。
4格支配、Er tritt an das Fenster(彼は窓辺へ歩み寄る).
文法的に整理すると
3格支配 an + dem(男性名詞)、+ der(女性名詞)、+ dem(中性名詞)、+ den(複数)
4格支配 an + den(男性名詞)、+ die(女性名詞)、+ das(中性名詞)、+ die(複数)
となります。即ちdenさえ気をつければ、3格支配か4格支配かすぐ見分けがつきます。
初心者の方は「ウワー面倒くさい。ドイツ語やめよう!」と思われたことでしょう。
でも心配には及びません。焦らずとも、多くの文章に当たっているうちにだんだんと身に付いてきます。そして、この3・4格の違いにドイツ語の醍醐味があり、そのニュアンスの違いが身に付くとドイツ語に親しむことが楽しくなります。
さて、最初に戻りますが、原題のAn der schoenen, blauen Donauは3格支配ですから、4格的な「寄せて」との訳は無理があると私は思いますが、皆様いかがでしょうか。

最近私は、ラジオドイツ語講座応用編を聞いています。
日本在住のドイツ語人にインタビューする内容です。昨日は、ドイツ語人が
mich an deutsche Worte zu erinnern(ドイツ語の単語が思い出せないのです).
と言って、インタビュアーが
Das heisst, auch als Deutscher vergisst man das Deutsche(というと、ドイツ人もドイツ語を忘れてしまうのですね)と応じていました。
何十年も母国語として身に付いた言葉さえ、しばらく使わないと忘れてしまうのですから(マッラ先生、いかがですか?)、私達が少々勉強しても忘れてしまうのは当然で、あきらめずにお互い勉強を続けて行きましょう。
Uebung macht den Meister(練習は上達のもと). Ohne Fleiss kein Preis(まかぬ種ははえぬ)

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