環状交差点(ラウンドアバウト)について
1.環状交差点(ラウンドアバウト)
【出典】用地ジャーナル2018年(平成30年)6月号p.14
長所 ・事故の減少。特に負傷者の出る重大事故が減少。
・待ち時間及び二酸化炭素排出量の減少。
・災害時の対応力の向上(信号がないので停電でも影響なし)。
短所 ・総流入交通量10,000台/日以上には適さない。
・人は直進できず、大回りを強いられる。人の通行が多い交差点には適さない。
・用地を多く要する。
・環道には停車帯を設置しないので、環道に面する画地はみぞかき補償の可能性。
出典:望ましいラウンドアバウトの構造について-国土交通省
写真1-1 大串インターチェンジの航空写真
西彼杵道路(小迎バイパス)大串インターチェンジ(IC)に上記の幅員構成の目安で円を描きました。赤丸外径27m緑丸中央島12mです。
通行量:国の平成27年度全国道路・街路交通情勢調査によれば、大串IC〜小迎IC7,019台。これに画面の上下方向国道206号本線の交通量が加わるため、概ね流入量は10,000台前後と思料されます。
2.西彼杵道路大串ICが環状交差点だったら
●環状交差点を疑似体験
ドイツでは過去15年ほどで環状交差点の整備が進みました。撮りためたドライブ・レコーダー(以下「DR」という)の画像を切り出し、「もし西彼杵道路大串ICが環状交差点だったら」のテーマで疑似体験を用意しました。なおドイツは右側通行なので、左右反転して、左側通行風にしています。
写真2-1 環状交差点の航空写真 左右反転
佐世保から長崎へ、西彼杵道路(パールライン〜小迎バイパス)を通り、大串ICで右折。国道206号を南下する想定です。
ドイツの環状交差点の規格は
・ミニ 外径13〜22m
・小 外径26〜50m
・大 外径40m以上
の三つがあり、写真の環状交差点は外径42m、中央島20mで小規格でも大きい方です。上の写真1-1と縮尺をほぼ合わせていますが、大きく感じます。違いを踏まえてご覧ください。
写真2-2 前方に環状交差点 DR画像左右反転(以下同じ)
写真2-2-2 実際の大串IC
●行程1(14秒前)
前方に環状交差点が近づいてきました。左赤枠のように、三叉路です。これから右[長崎方向]へ進みます。
日本の交通ルールでは、環状交差点の進行は「徐行」とあります。
写真2-3 環状交差点を注視
●行程2(4秒前)
左赤枠下の右回り(時計回り)の青丸標識は、環状交差点を表し、上の逆三角形の標識は「譲れ」。即ち環状交差点を進行中の車が優先なので、右赤枠の2台の動きに注意します。
@1台目の白い車は、ウィンカーを点滅させているので環状交差点を出て西彼杵道路へ進むようだ。
B2台目の黄色い車は、進行方向からして環状交差点を進行し、大串方面へ向かうようだ。
写真2-4 環状交差点手前の横断歩道に接近
写真2-4-2 実際の大串IC
●行程3(2秒前)
1台目の@白い車は、環状交差点を出て西彼杵道路へ向かいます。もし2台目のA黄色い車がいなければ、環状交差点へ進入できます。
環状交差点の手前に横断歩道があります。信号機が無いので、人や自転車に注意します。
写真2-5 環状交差点内の車の動きを注視
●行程4(1秒前)
1台目の@白い車は西彼杵道路へ向かいます。後は2台目のA黄色い車の動きを注視します。
写真2-6 環状交差点に進入
行程5(基準タイム0秒)
A黄色い車の後を追うように環状交差点に進入します。一時停止も、ウィンカーも不要
写真2-7 環状交差点を走行
行程6(2秒後)
A黄色い車は、環状交差点を出て大串方面へ向かいます。この先、私は優先通行で環状交差点を右回り(時計回り)に走行します。
写真2-8 環状交差点を出る準備
行程7(9秒後)
環状交差点を3/4周し、左ウィンカーを上げて左折の準備です。DRのカメラにフロントガラスが反射しています。ご了承ください。
写真2-9 環状交差点を抜ける
写真2-9-2 実際の大串IC
行程8(13秒後)
基準タイム0秒の行程5から13秒で環状交差点を抜け、国道206号線を長崎方面へ南下します
以上、仮想で「もし西彼杵道路大串ICが環状交差点だったら」でシミュレーションしました。
まとめ
●環状交差点通過時の四つのポイント
・環道(交差点内)を進行中の車が優先
・交差点進入時は、一時停止、合図(左ウインカー)不要
・徐行して右(時計)回り
・交差点を出るときに合図(左ウィンカーを上げる)
環状交差点疑似体験動画
動画2-10 仮想「大串ICの環状交差点を通過」
行程1の更に21秒手前から行程8の2秒後までの約1分のオリジナルのDR動画の左右逆転版です。
複数台の車が一時停止することなく流れるように通り過ぎる様子をご覧ください。ナビゲーションの音声に対する字幕は、原語を無視して仮想に合うように創作しています。
なお表示される時刻は日本時間です。現地での実際の走行時刻は、マイナス7時間で12時13分ごろです。
経験則と交通の流れに沿って走行しています。ドイツの交通規則を熟知していないので、厳密には法令違反があるかもしれません。イメージとしてご覧ください。
3.2023年春 欧州の最新状況
欧州では日常の風景です。
写真3-1 機中より 写真3-2 左の拡大写真
イタリア・ミラノ・マルペンサ空港到着前、この日は快晴で、機中から地上がよく見えていました。
写真3-3 機中より 写真3-4 左の拡大写真
機中から多くの環状交差点が見えます。これは双子の環状交差点。
写真3-5 市街地の環状交差点 写真3-6 ケルン郊外 2018年撮影
左:郊外の土地に余裕がある場所を中心に設置されているイメージがありましたが、こちらはドイツ・ケルン中心市街地にある宿の部屋からの眺め。写真右下に、環状交差点の標識が見えます。
右:環状交差点の中心に、この地の特産物カブのモニュメントが設置されています。
写真3-7 写真3-8
ドイツ南西部人口約9万人のLudwigsburg ルートヴィヒスブルクの中心市街地にて。Schorndorfer Str.ショルンドルファー通り他三つの通りが交差する十字路。
もともと信号機のある交差点だったようですが、環状交差点の社会実験でしょうか、信号機や歩行者信号にはカバーがかけられ、歩行者は、車に注意しながら歩行者優先で渡ります。信号待ちがないのがいい。
Google 航空写真
同じ交差点を航空写真で見ると「左折が×」になって、全ての交通を反時計回りに誘導しています。上の写真3-7と3-8は、交差点右側から撮影。
環状交差点について外部リンク
●国土交通省 ラウンドアバウト検討委員会
●国土交通省 ラウンドアバウトの現状
●警察庁作成の環状交差点の動画一般社団法人全国届出自動車教習所協会のサイト
環状交差点への改良事業で持続可能な開発目標(SDGs)に貢献
●目標9[インフラ、産業化、イノベーション]
・強靱なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
●目標11[持続可能な都市]
包摂的で安全かつ強靱で持続可能な都市及び人間居住を実現する
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